山桜の旅

取材で奈良県へ行きました。
明治時代、最後のニホンオオカミが捕獲された地より、さらに奥です。
山桜がちょうど満開。
宿泊先は、渓流沿いの宿。
川べりにも庭にも山桜が咲いて、幽境の趣です。

140423桜の園.jpg(写真は別のところの桜。私的写真を撮るのは、今回は控えました)

部屋にはカメムシが多くいました。
へたに追い払おうとすると臭気を発し、たいへんなことになるそうです。
「いろうたらいかん!」と宿の女主人が叫ぶのを、
「さわったらいけない!」と翻訳しながら聞いていました。

割り箸と水の入った瓶を持ってきてくれました。
水には「ママレモン」(懐かしい)を溶かしてあって、
箸でそっとつまんだら、そこへ落とせと。

つまみそこねた場合がたいへんそう。
ただ飛んでいるぶんには臭気はないので、
「放し飼い」にしておきました。

二十人近い一行で、女性は女性どうし三、四人ずつに分かれての部屋割りです。
隣の女性部屋からは「カメムシを踏んだ!」という声が上がっていました。
後でお茶に誘いにいったら、活けてある百合の花の香りに混じって、
カメムシの臭いがしていました。

掛け布団と掛け布団が重なりそうなくらい近々と、布団を並べて寝るのは、修学旅行以来。
枕投げをしたくなる。

翌日は、奈良の茶がゆで朝ごはん。
早くも落花がはじまっていました。

楽しくも充実した二日間。
掲載号が発売されましたら、お知らせします。

無事、終了

大阪の朝日カルチャーセンター中之島教室での話が、無事終了。
サイン即売会もおかげさまで、用意した本が完売しました。
聞きにいらして下さった方々、サインに並んで下さった方々、ありがとうございます。
いただいたお品を味わい、お手紙も拝読しました。

専門というのがないことが、講演をするときの心もとなさとなっています。
これについては勉強してきて、人より少し知っている、といえるジャンルが、私にはありません。
話すとしたら、自分の体験、それといくらかの読書をもとに考えたこと。
カルチャーセンターに来る人の向学心や知的興味に応えられるかという不安があります。
それでも教室で人前に立とうと思うのは、企画担当者さんからの熱心なお声がけと、
アンケートに記された参加者の皆さんの温かな言葉のおかげです。

大阪には数年前はじめて呼んで以来、年に一回出ています。
リピーターのかたもいらっしゃるので、まったく同じ話を聞いてもらうわけにいかない。
伝えたいことは同じでも、伝えるための具体例は、少しずつ違えなければ。
それができる題材がたまったら、また出していただこうと思います。

担当者さんとお会いするのも年に一回。
一年ぶりに顔を合わせ「あら、その髪型も新鮮ですね」と言われました。
髪型は特に変えていませんが、カットとカットの間が十週くらいあくので、
切って間もないとき会うのと、だいぶ経った時点で会うのとは、印象が異なるのかも。

カルチャーセンターもその準備も終わって、今日は一日、本の執筆。
郵便を取りにいく以外、朝から晩まで家を出ず。
昼間から魚を二つ焼いて、エネルギーをつけました。


14.4.15太刀魚と鮭.jpg
塩鮭と太刀魚。太刀魚は干物でなく生です。油も塗らず塩もふらずただ焼いて、
食べるときに薄口醤油をかけるだけで美味。
他に納豆、大根と人参の糠漬け、大根の葉と椎茸の味噌汁、玄米ご飯。
糠漬けは、魚が焼けるまでの間つまみ食いしてしまい、切った分より減りました。

打ち合わせに出る用事、取材の人が来る用事、マンションの管理組合の用事(本年は理事長)、家の用事、
加圧トレーニングといった自分の用事などなどで、
時間で執筆を打ち切るのが常ですが、
今日はそうしたものがない。
時間ではなく体力によって執筆を終了した、久しぶりの日。
こういう打ち切り方は、内容としては途中であっても、爽快感がある。
走れるだけ走り通した後にも似て。
明日は用事のある日だけれど、時間まで、続きを書こう。


仕事のご依頼、お問い合わせは

仕事のご依頼をお考え下さっている皆様へ。
このサイトには、お問い合わせをお受けするしくみがありません。
著書の出版社に、ご連絡下さいませ。

代表番号におかけの上、書名と著者名をおっしゃって下さい。
出版社を通して、ご用件を承り、ご意向に添えない場合も、その旨ご返事いたします。

本サイトは読者のかたが、任意で開設して下さったものです。
著者自らが運営する「公式」サイトとは、成り立ちを異にしますが、
信頼できる情報を載せて下さる、ありがたい場として「公認」し、
サイトの一角をお借りして、ブログもはじめさせていただきました。

現在は、ブログ以外は休止しております。
サイトにご連絡下さったかたが、もしいらしたら、回答なきまま失礼してしまっているかと存じます。

はじめてのお問い合わせで、私の連絡先をご存じないかたには、
たいへんご面倒をおかけいたしますが、出版社経由でお願い申し上げます。

お世話になっている出版社の皆様には、
ご多用中恐縮ですが、ご対応をお願い申し上げます。


リンクし直し

すみません、前の記事のリンクがうまくいっていないようです。
文字化けもしてしまいました。
4/12土、13時半から15時、大阪の朝日カルチャーセンター中之島教室です。
「ためない心の整理術」、終了後サイン販売会。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=235788&userflg=0
こちらをクリックしてみて下さい。
お詫びとともに再掲載いたします。

4/12、大阪

4月です。
今月はカルチャーセンターでお話します。
4/12土、午後1時半?3時、大阪の朝日カルチャーセンター中之島教室にて。
内容は「ためない心の整理術」。

講座の後に、本のサイン即売会を設けていただきました。
お申し込みはこちらからしていただけます。http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=235788&userflg=0
どうぞご参加下さい。

14.4.1室内桜.jpg
ちょうど今日、同名の本『ためない心の整理術』(佼成出版)の増刷分が出来ました。
3刷です。地味に拍手。
これからも細々と版を重ねていきたいです。


tamenai 003.jpgのサムネール画像
カルチャーセンターともどもよろしくお願い申し上げます。





97%をいつまでも

春ですね。

14.3.28赤かぶサラダ.jpg
寒がりの私も日中はコートを手に持って歩いていました。
今日は久々の美容院へ。手帖を見たら、10週間ぶりでした。
ITAYAのカットは伸びても形が長持ちするので、
「まだ大丈夫」とつい先延ばししてしまいます。
以前の美容室は、6週間もすると、私のブロー技術ではどうにもまとまらなくなり、
たまりかねて飛び込むのが常でした。
それを思うと、コストパフォーマンスはかなりいい。
ITAYAに行きはじめてからは日頃、髪型に関するストレスはゼロで過ごせています。

今日は切って、頭から先に春が来た感じ。
桜の花ももうすぐです。

気がつけば本年度もおしまい。
新年度からはじまる仕事、
本年度内に結論が出なかった企画、
残念ながら通らなかった企画、
まだ人に話さず、ひとり静かに準備中の企画など、いろいろ。

通らなかった連絡が来ると、「私、終わった人なのかも」と落ち込むけれど、
気をとり直し、書きかけの原稿に向かえば、たちまち没頭。
半日書けば、行数はどんなに少なくても、半日書いた充実感を得られる。
明日になれば書き直して消えてしまう行であっても、無でないし、退歩でもない。
消すことも、前に進んでいく作業のひとつ。
なんて、ちょっと高揚してしまっていますが。

夢中になれるもののある幸せを感じます。
夢中になれるものと生活の糧を得る仕事との一致している状況が、少しでも長く続くことを祈ります。

本年度最後の本は、2月に出たこちらです。
私の2年間が詰まっています。

14.2.20幸せは書影.jpgのサムネール画像
『幸せは97%』でのタイトルどおり、100%と欲張らず、細く長くをめざします。
97%゜でも相当、欲張り?

本年度も読んで下さり、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

道後温泉旅日記

道後温泉に行きました。
松山で仕事があって、その前日。
前日は夕方から打合せ。それまでは二時間ほどある。
宿に荷物を置いたら、張り切って町へ。

近くに見えた神社の石段を、ウォーミングアップを兼ねて上り下り。
片道で一三〇段くらいありました。
昔、そう十数年前、取材で道後に来たときに、この石段で撮影したなあと思い出す。

14.3.15道後石段.jpg神社の名がそのものすばり、「湯神社」というのもあります。
道後温泉を開いた二人の尊をお祀りした由。
地震で湯の出が悪くなるたび、ここに祈ったのだとか。
ここでも地震は、昔から繰り返し起きていたのだなと思いました。

湯神社の境内には、別のやや小さな神社も。
こちらは製菓の神様だそうで、
神社を囲う石の柵(と書いて、木偏だけど石の棒で囲ったのも柵と呼べるのかと不安になる。職業病)の、
寄進者の名には、四国の県の製菓組合など。
「愛媛県タルト部会」とあるのは、「いかにも」でした。

14.3.15道後タルト部会.jpg
いよいよ道後温泉本館へ。
明治二十七年築。
漱石が松山に赴任した頃は新築だったという、木造三階建ての公衆浴場です。

14.3.15道後建物浴衣女子.jpg

二階は畳の間の休憩所。
昔、そこの手すりから外を見ているところを、この道路から撮影したなあと思い出す。

てっぺんは、刻の太鼓を打つ楼。
赤いギヤマン張りで、ハイカラです。
屋根の上に載っている鳥は、刻を告げる鶏ではありません。
温泉伝説に出てくる白鷺です。

14.3.15道後白鷺赤ギヤマン.jpg最初の太鼓が鳴るのは、午前六時。
打つのは松山市の職員さんだそうです。
研修をするんでしょうか。
早朝出勤でたいへんです。

営業時間は朝六時から夜十一時まで。ふつうの銭湯よりも長い。
しかも定休日なし。
築百年以上の木造が、それでもっているのだから、
いかに頑丈かがわかる。

近くには路面電車の終着駅。
草色のペンキ塗りの駅舎がこれまたハイカラ。
昔の学校のようです。

蒸気機関車ふうの坊ちゃん列車が人気ですが、
みかん色のふつうの車両も、なかなかレトロで味わい深い。

14.3.15道後みかん色電車.jpgデジカメ持って歩き回って、完全に観光客。
射的もしたいなと思ったけれど、さすがに我に返って、止めました。

打合せの人と夜九時に別れてから、宿で石けんとタオルをとってきて、再び町へ。
灯の入った太鼓楼が赤く輝き、
ライトアップされた白鷺が夜空に浮かんで、
昼間よりさらに幻想的。
旅情も感じる。

建物の回りを二周して、さまざまな角度から眺めたら、いよい入浴。
下足箱にくつを入れて、ほんとうに湯に入る。
宿に帰ったら、今度は宿のお風呂にも。
道後の夜を味わいつくす私でした。

写真は、いつかブログが本になるときのため、
多めに撮っておくことにしよう。
二〇一三年三月までの分は、『幸せは97%で』(中公文庫)として刊行しました。

14.2.20幸せは書影.jpgのサムネール画像ブログからできた本の第二弾です。
第三弾も作れますように。






3年めの日に

震災から3年が過ぎました。
忘れないということを、行動にどう結びつければいいか難しいですが、
また東北を旅するつもりです。

4/12カルチャーセンター

カルチャーセンターのお知らせです。
4/12(土)、大阪の朝日カルチャーセンター中之島教室にて。
「ためない心の整理術」の題でお話します。


本のサイン即売会もいたします。
どうぞご参加下さい。こちらよりお申し込みいただけます。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=235788&userflg=0

最近の私は絵本づいています。書く方ではなく、読む方ですが。
「ぐりとぐら展」に行ってきました。
双子のねずみのくり広げるお話です。
今年はぐりとぐら生誕50周年にあたるそうです。

14.3.3ぐりとぐら.jpg
お話そのものもですが、登場する子どもたちの髪型や服装が懐かしく。
『ぐりとぐらとすみれちゃん』なんて、
すみれちゃんという人間の女の子の着ている、
白い襟に青いギンガムチェックのワンピースが、
私が幼稚園に上がる前、母が作ってくれたワンピースにそっくり。

ぐりとぐらの世界にひたりながら、
これって、こういう絵本を読んでいた頃への、
母や父のいた頃へのノスタルジーだなと思いました。
(父は今も存命ではありますが、おじいさんになりました)

今回改めて見て気づいたのは、
ぐりとぐらの家って、ずいぶんモダンだなと。
西洋ふうのバスタブ、ベッド。ダイニングテーブル。
出窓にカーテン。暖炉の前のロッキングチェアー。
こんなところにも、子どもの私は憧れたのでしょう。
うちは畳に座卓に、寝るときは押し入れから布団という、
思いきり日本ふうの家でした。
ピクニックにぐりとぐらはよく行きますが、
持っていくお弁当は、いつも完全にパン食です。
サンドイッチ、フルーツ、サラダ。
家で作るお菓子も、カステラやクッキー。
おむすびやお団子ではありません。
洋風が夢だった時代を感じました。
(とはいえ『ぐりとぐらとすみれちゃん』など描かれたのは2000年となっていました)


会場のあちこちから、聞こえます。
「あ、これ、読んだ」「この絵、私覚えてる」


会場を出たところには、絵本や記念グッズを買う人の列。
私も本やグッズを抱えて並びました。
展覧会の図録、『そらいろのたね』『いやいやえん』『ぐりとぐらのうたうた12つき』。
『いやいやえん』も、ぐりとぐらシリーズと同じく、中川梨枝子・山脇百合子の作です。
(はじめの頃は旧姓の大村百合子)
記念グッズは、ぐりとぐらシリーズの本の挿し絵をプリントしたハンカチを。
何種類もの柄の中から迷った末に2つを選び、姉と私とに2枚ずつ。

本も誰か子どもに読んであげるのではなく、
自分たち用に。
「こういうときが、私にもあった」と想い出を確かめたくなることが、
この先もっと増えていくだろうと思います。

全然関係ないですが、すみれちゃんという名は気に入り、
「私もせっかく別名をつけられる仕事についているのだから、
すみれにすればよかったな」などと、帰る道々考えていました。

街の雑貨屋の店先では、この頃よくムーミングッズが目につきます。
ムーミンの作者、トーベ・ヤンソン生誕100周年でもあるそうです。
ムーミンにも私は思い入れがあります。
灰色の箱に入った本を、次から次へ読みました。
灰色という子どもの本にはめずらしい、地味な色の箱と、
影の多い線で描かれた、不思議な生き物たちの絵は、
独特のさびしさをもって、私をひきつけるのでした。
ムーミンのぬいぐるみを、長いこと大事にしていました。

ぐりとぐらからの流れで、駅近くの書店にて思わずムーミンの本を購入。
灰色の箱でないのが昔と違って残念でしたが、挿し絵は変わらず。
数あるムーミン本の中から選んだ1冊は、『ムーミン谷の冬』です。
冬、という季語(?)のせいもあってか、
とりわけさびしさが切実な1冊だった記憶があります。
ぐりとぐらシリーズは絵本ですが、こちらは文章のたくさんある本。
読み返すと、言葉からの発見もあるかもしれません。
寝る前に読むのが楽しみ。

枕元に、ぐりとぐらとムーミン。
満ち足りた夜が更けていきます。


ブログから本、第二弾

プログから本が生まれました。
『幸せは97%』(中公文庫)。2月25日に発売されます。

14.2.20幸せは書影.jpghttp://www.chuko.co.jp/bunko/2014/02/205911.html
単行本を経ずに、文庫にて初登場。ブログを元にした、文庫オリジナルエッセイです。
2011年4月から2013年3月までの日々を綴りました。

「元に」というのは、ブログに掲載した文章そのものではなく、書き直しているため。
画面上で、写真をはさみながら読んでいただくのと、紙の本にするのとは少し違うかなと。
文章をいったんひと続きのデータにし、大幅に加筆修正しました。
ブログをご覧下さっている方にも、また別の雰囲気で味わっていただければと思います。

1冊にしてみると、2年分の歳月の重みみたいなものを、われながら感じます。
同じ家に住んで、同じ仕事をして、同じような献立を続けていて、それでもやはり変化はあるのだなと。
そのあたりの感慨は、あとがきに記しました。
2年間を通じての頻出単語は「しみじみ」です。

目次を「ちら見」しますと。
......ガーゼケットを干しながら/近い昔への散歩/煙が目にしみる/深まる秋/油揚げ、ほのかに甘く/明け方のホットカーペット/
雪のちタラ汁/携帯メールが送れない/巡り来る、あの季節......

ブログから生まれた本は、これが2冊目。
1冊目は単行本『「こつこつ」と生きています』。
その巻末に、書き下ろしで載せた「東京震災日記」を、この文庫に収録しました。

「こつこつ」の方は単行本の予定はなく、在庫が尽きるとこの世から消えますが、
あの部分だけは、こちらに移すことで、少しでも長く残しておきたいと。
文庫収録にあたり、加筆修正していません。
情報不足や、無意識にかけたバイアスもあって、ずいぶんピント外れなことも書いています。それも含め、
東京の一市民がそのときどのように事態を受け止め行動したか、ありのままを記したものとして。

震災から3回目の春が来ます。





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お知らせ

2010年6月から2011年3月までのブログが本になりました。
「こつこつ」と生きています
「こつこつ」と生きています
中央公論新社
2011年7月10日発売
1575円(本体1500円)